第7話、会社と負債 −Balance sheet−B/Sの話一 税理士 城 間 源 哲 会社は資金を集め(調達)、集めた資金を使って(運用)利益を追求していくわけです。そしてその結果、会社の決算日の資産や負債はどうなっているかを貸借対照表は表します。我々はそのどうなっているかを読み取ろうというわけです。貸借対照表は作る側の人とその表を見る側の人がいますが、今日は見る立場で考えてみましょう。資金を調達して会社は利益を出して行こうとするわけですが、資金集めはどのようにしてなされたかが気になります。自分の資金(自己資本)だけでは足りず、他人の資金も借り(負債、他人資本)経営をするのが普通です。負債のない会社はほとんどありません。一定の規模なのに負債がない会社もあるにはありますが、しかし、その数は限られています。三百余社のお客様と関わらせてもらっている私の頭に、瞬時にして固有名詞が浮かぶ程少ないものです。 後に詳しく説明しますが、実は会社はむしろ他人資本(負債)を主軸にして経営しているのが普通です。個々の会社によって違いますが、概(おおむ)ね会社は、75%は他人資本、25%は自己資本です。つまり運用している資金の4分の3は他人の金を、残りの4分の1は自分の金を使ってやっているようだと、一応の目安にしておきましょう。意外に会社は、他人の資金でやっているのだなと思った方もおられるでしょうが、それでも自己資本が25%の会社は優良企業に入ります。無借金経営は2%もないでしょう。100社のうち2社くらいです。 One year rule(ワンイヤールール) 具体的な貸借対照表の見方に入りましょう。復習のためのページの表Uを見ていただきますと、まず流動資産と固定資産、流動負債と固定負債が目につきます。企業の財政状態(資金の調達と運用)を見るために、流動、固定と分類した方がよいのではないかというわけです。 早く返さなくてはいけない金を流動負債、ゆっくりでよい借金は固定負債、間もなく金になりそうな資産を流動資産、しばらくは金には変わりそうにない資産を固定資産と分けて表した方が、この会社の今後の資金が順調に行くかどうか判断し易いのではないかというわけです。ついでですから、このような分け方を流動性分類と覚えておくといいでしょう。その分類にもとづいて前回の流動性配列という話につながるわけです。 流動と判断する期間は一年です。そこで、ワンイヤールール(一年基準)というわけです。 このルールにより負債と資産を説明すると次のようになります。 ●流動負債 決算日(3月決算なら3月31日)の翌日から1年以内に支払われなければならない負債のこと。 ●固定負債 支払い期限や返済期間が1年を超える負債のこと。長期借入金や長期未払金等がある。 ●流動資産 現金及び比較的短期間に回収される資産のこと。 ●固定資産 1年を超えて所有したり、使用するもののことをいう。むしろ処分して資金で回収するのは特別の場合である。有形固定資産、無形固定資産、投資に分けられる。 ここで流動負債には、はっきり1年と表現しながら、流動資産は比較的短期と暖味にするのに不満が残るかもしれません。しかし、借金の返済日だけは暦に記入した通りで確実にやってきますが、とかく入るべき金は相手の都合により、必ずしもままにならないものです。したがって流動負債と同額の流動資産では不安です。流動資産は流動負債より多くなくてはいけませんが何倍あるか、それを流動比率として学びます。どのくらいの比率が望ましいかも次回考えてみましょう。 少し急ぎ足になってしましました。次回は、貸借対照表を見るときはまずは自己資本比率に注目しましょうということ、そして、体力以上の重装備で経営にご苦労なさった管工事のA企業のお詰もしたいと思います。貸借対照表の話はまだ続きます。復習のためのページの図は次回もそのまま残ります。 |